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2022.7.10 J1第21節 横浜F・マリノスvsセレッソ大阪 試合レビュー

現在6連勝中の横浜F・マリノスをホームで迎え撃つセレッソ大阪。
セレッソは川崎、鹿島と続いて上位3チームとの連戦のラスト。

セレッソは準備していたマリノス攻略を上手く実行し、ゲームプラン通りに進めて2点のリードを奪います。
しかしタガートの負傷退場というアクシデントに続き、山中の退場でPKを与えてしまうと一気にマリノスペースに。
多くの時間をセレッソが狙い通りに進めてきましたが、2点差を追いつかれてドローという決着になりました。

マリノスがボールを握る展開も一発で仕留める

序盤はマリノスがボールを握る展開。
マリノスらしい前に圧力をかけてくる形でセレッソを押し込んできます。

セレッソはブロックを敷くけれども、右サイド水沼からのクロスのシーンが多い。
セレッソは加藤、上門という裏を狙うタイプの2トップにしているので、なんとかボールを奪取して縦に運びたいけれども、マリノスのロスト後のプレスも整備されていてなかなか運べません。

しかし前半32分、マリノスのビルドアップのパスを上門がカット。
上門からのボールを受けた加藤が一気にドリブルで運んでペナルティエリア前で強烈なミドルシュート。

このシュートがネットを揺らしてセレッソが先制しました。

小菊監督の試合後のコメントがこれ。

「クオリティーの高い攻撃力を持つ相手に対し、ファーストディフェンダーとなれる加藤、上門。(先発は)ハードワークできる2トップにしました。奪ってからも、動き出せる、一気にカウンターを仕留めることができます。1点目は、その狙い通り、彼らの良さが出たシーンでした。その中で、時間の経過とともに、少し相手がバランスを崩すということもスカウティングの中で狙いがありました。」

https://www.cerezo.jp/matches/2022-07-10/

マリノスの攻撃には怖さがありましたが、ディフェンス陣がふんばったおかげでマリノスのビルドアップのミスを生み出すことができました。

その後、マリノスが前にさらに圧力をかけてきますが前半はセレッソ1点リードのまま折り返します。

狙い通りの2点目

後半に入ってもマリノスがボールを握りながら攻め込んできますが、セレッソはしっかりとブロックを組んで1点のリードを活かす戦いを進めます。

マリノスが宮市、仲川というアタッカーを投入するとセレッソはメンデス、パトリッキ、タガートを投入。
その途中交代で入った3人が絡む形で63分に追加点が生まれました。

左サイドに流れたメンデスからのボールを受けたパトリッキがクロス。
これを中に入ってきた毎熊が物凄く綺麗な落としでタガートへ。

タガートは冷静にゴール左隅に沈めて2点のリードを奪う展開になりました。

マリノスのアタッカー投入で前がかりになるタイミングでセレッソもアタッカー投入。
マリノスの前への意識を利用しての見事な追加点となりました。

アクシデントからのドロー展開

勝ち点3が近づいたかと思いましたが、76分にタガートが負傷交代。
控えにもうアタッカーがいないセレッソは鈴木を投入してボランチに、元々ボランチの奥埜を1列前に上げる形をとりました。

中盤の形が変わって一旦落ち着きたいセレッソでしたがさらにアクシデント。
79分に山中が一発レッドでPKを与えてしまいます。

ジンヒョンがシュートを防ぐも、そのこぼれ球に仲川が詰めます。
その仲川を山中が後ろから倒した判定で、これがボールにチャレンジしていないということでオンフィールドレビューの結果レッドカードに。

そのPKを途中から入ったレオセアラに決められると、後半ATにもレオセアラにヘッドで決められ2-2に。

前節の鹿島戦と同じく、勝ち点3が目の前で逃げていくような試合になりました。
川崎、鹿島、マリノスとの上位3連戦は1勝2分けで勝ち点5を積み上げる結果になりました。

シーズン当初の事を考えると上位とこれだけ戦えたという見方もできますし、3位以内を目指すのであれば勝ち切って強さを見せたかったという見方もできます。
良いところに目を向け、修正しなければならないところは修正し、さらに上の順位を目指したいところです。

その他

失点についてのヨニッチのコメントが興味深いです。

Q:ヨニッチ選手自身、守備での空中戦の勝率はリーグでもトップ3に入るくらい高いですが、前節、今節とクロスから最後に失点している。そのあたりはどう受け止めていますか?
「試合の終盤は、ボール保持者へのプレスが少し甘くなっています。時間を与えてしまえば、当然、いいクロスが上がってきます。その状態で、今日のように相手が人数をかけてゴール前に入ってくれば、ボールに触れられないと、致命的になります。そこは改善が必要です」

https://www.cerezo.jp/matches/2022-07-10/

確かに鹿島戦を見てもクロスでやられていて、特にヨニッチの頭を超えていくようなクロスを狙われている感じがします。
この試合でいうと水沼には序盤、何度もクロスを入れられていましたし狙いどころとして見られていたかもしれません。

4-4-2の守備をするとどうしても大外が空きがちになるし、そこをどう修正していくか。
小菊監督も分かっていることでしょうし、次節以降の対応に期待したいです。

それと上門選手のコメントについてもお話したいです。

Q:リーグ戦で出場機会が少ない間、どう取り組んでいた?
「メンバー外の試合も多かったですが、そこで腐ったら終わりだと自分にも言い聞かせていました。コツコツとやり続けた結果がつながっていると思うので、自分のプレーに自信を持ちながら続けることが大事かなと思います。後はゴールを取れれば一番かなと思います」

https://www.cerezo.jp/matches/2022-07-10/

「そこで腐ったら終わりだ」という言葉ってすごく重いと思うんですよね。
それぐらいサッカー選手にとって試合に出れないっていうのは気持ちに負担のかかる事なんだろうなあと。
本当はサポーターが練習場に行って声をかけて支えられたら~と思うんですけど、社会的にはまだ簡単ではないかなあ。

ただ、上門には上門しかない武器が当然あるわけで、試合に出たときにそこをどうやって表現していくかなんだろうなと思います。
上門というとブレ球シュートに注目が集まっていますけど、ぼくが今年見てきた中で一番印象に残っているのは守備面の反応の鋭さとポジショニング。

この試合でも上門のインターセプトがそのまま得点に繋がりましたけど、今までの試合も前からの良い守備でショートカウンターを何度も演出してきました。

シーズン序盤は前に仕掛けていく守備が多かったけど、今はブロックを作りながらショートカウンターを狙いたいっていう形が増えているのでこれからチャンスはたくさんあるんじゃないかなと思います。

さて次は天皇杯で名古屋戦。

夏の過密日程の中、どういう選手をチョイスしてくるのか気になるところです。
日程が過密になるほど選手層の厚さが結果につながってきますし、それぞれの選手が持ち味を出せるような試合になればいいなと思います。