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2022.5.26 J1第15節 浦和レッズvsセレッソ大阪 試合レビュー

気温も上がってきた中でのJリーグ連戦。
セレッソ大阪はホームのヨドコウ桜スタジアムで、現在7試合ドロー中の浦和レッズを迎え撃ちました。

浦和ロドリゲス監督のサッカーは小菊監督も「常に素晴らしいチームだと思っていた。今回も相手を知れば知るほど、いいチームだなと思っている」と表現するほど。

前半は浦和ペースで流れを持って行かれるも、後半に入って守備位置を上げて前に出るセレッソ。
山中のPK奪取からの清武ゴールで先制すると、終盤にはロングボールからの展開で毎熊が追加点。

どちらに勝利が転んでもおかしくなかった一戦をもぎ取り、セレッソは見事2連勝となりました。

4-2-3-1vs4-2-3-1

セレッソは清武がトップ下に入る4-2-3-1でスタート。
一方の浦和も1トップにユンカー、2列目は左からシュルク、小泉、関根が並ぶ4-2-3-1でのスタートとなりました。

浦和はボールを高い位置に押し込めたいようでセレッソのビルドアップに対してしっかりと詰めてきます。
また、ボール保持時は平野が最終ラインに加わっての3バック化でサイドを押し上げようとしてきました。

一方でセレッソは前節ゴールを決めたタガートを使いながらゴールを狙います。
16分にはタガートが奥埜のパスを受けてドリブルからチャンスシーン。
1点取るとFWってオーラが代わるなとあらためて感じたシーンでした。

決定機を決めきれない浦和と耐えるセレッソ

前半20分にピンチが。

ジンヒョンのキックが浦和小泉に引っかかってしまい、そのボールをユンカー→小泉と渡してネットを揺らされてしまいます
ただVARの結果、これはユンカーの位置がオフサイドの判定。

命拾いするセレッソでしたが、ここから浦和に流れを持って行かれてしまって27分には3vs3のシーンからクロスを受けたシャルクにシュートを狙われるがポスト。
その後もサイドを押し込まれて前半をなんとか0-0で抑えて後半を迎えることになりました。

浦和は立ち位置も素晴らしいし、サイドを幅広く使ったりハーフスペースに飛び込んだりと内容としてはセレッソを上回りましたが、シュートがとにかく枠に飛びません。
ロドリゲス監督のサッカーは素晴らしいけれども、何か噛み合わせの悪さみたいなものがあるのかなと感じました。

守備の重心を前にして反撃に出るセレッソ

後半開始すぐに浦和はユンカーに代えて江坂を投入。
ユンカーは負傷での交代とのことでした。

一方のセレッソは交代は無かったけれども「後半は、少し守備の重心を前に、矢印を前にして、攻撃のビルドアップの立ち位置も全員で共有しました。」と小菊監督が言うように、守備の意識を前に向けることで流れを変えようとしました。

後半始まってすぐに毎熊がロングフィードで抜け出そうとするもギリギリ止められます。
またパトリッキの溜めから山中が上がってきてシュートなど、ボールを奪った後の攻撃面で良さが出てきます。

60分にはタガートに代えてスピードのある北野を投入。
さらに縦への意識を強めると、67分に山中が大仕事をやってくれます。

前半は関根とのマッチアップで押し込まれていた山中でしたが、後半に入ってからはサイドを駆け上がる機会が増えて、65分にはハンドでPKを誘発。
ハンドをしたのは関根でしたが、前半マッチアップで苦しめられていた相手からPKを獲得することができました。

これをキャプテン清武が得意の左隅に決めてセレッソ先制。
耐え忍んでいた中で、見事な先制弾が生まれました。

追いつこうとするべく松尾、大久保、柴戸など選手を入れ替えて攻勢に出ようとする浦和。
一方のセレッソも受けに回るのではなく前へ矢印を強めるべく為田、加藤を投入。

すると89分に待望の追加点。
前に出る浦和に対して西尾がフィード。

北野が手前で潰れてフリーの加藤が受け、見事なターンから右サイドを駆け上がった毎熊へ。
毎熊は見事なトラップでボールコントロールしてゴールネットを揺らしました。

前節と同じく試合終盤にすばらしい運動量とテクニックを見せた毎熊。
この2点目で勝負あり。
セレッソはリーグ戦2連勝。
そしてホームで勝てないと言われていましたが、ここにきてホーム3連勝を飾りました。

その他

ユンカーと西尾のマッチアップについてこんなツイートがありました。

なるほど、万能と思っていたユンカーにも苦手なところがあるわけね。
素晴らしい決定力を誇るユンカーですが、元浦和の山中のアドバイスのおかげもあって45分間抑えることができました。

今回は負傷交代で45分だけの出場になったけど、西尾としては90分抑えたいって気持ちもあるだろうし、次はお互い万全で対決できたらいいなと思います。

そして浦和ですけどロドリゲス監督のポジショナルプレー戦術だったり、試合の流れでの立ち位置の変化など本当に怖さがありました。

ただ、浦和小泉が「目指すサッカーと実際にいる選手の適性が合ってないところもある。それで迷いが生じるジレンマがある」と発言しているようで、どこかチグハグさみたいなものがあるのかもしれないです。

セレッソを率いたロティーナ監督のポジショナルプレーは本当に素晴らしくて、清水でも成功すると思っていたらそうはならなかったですよね。

ぼくはポジショナルプレー論って本当にすごいと思ってるけれども、必ずしもそれがチームにフィットするわけでもないし、結果に繋がるわけじゃないんだなとサッカーの奥深さを改めて感じています。

セレッソはこの勝利で5位に浮上。

今シーズンはじめは前からハメるサッカーで、相手の分析が上手く行くか行かないかで試合の流れが大きく変わっていました。
でも今は流れに応じて変化をつけられるようになってきたし、毎熊の運動量やパトリッキの推進力、山中のクロスの活かし方が分かってきて、それが勝ち点に繋がってきています。

メンバーに入ることが出来ていない選手も、自分の持ち味をアピールしようと虎視眈々と準備していると思います。

ここから気温が上がっていってメンバーの入れ替えも含んだ総力戦となってくる時期です。

今日のように流れを持って行かれる試合もあると思いますが、焦らず自分たちのサッカーを信じながらさらに勝ち点を積み重ねて欲しいと思います。