2022ルヴァンカップ。
川崎フロンターレとの準々決勝の1戦目をホームで1-1で終えたセレッソ大阪。
同点で終えた場合はアウェーゴール数が多い方が勝つレギュレーションのため、セレッソとしてはこのアウェーの2戦目で最低でも1点を取らなくてはいけないゲームになりました。
序盤から前に圧力をかけてくる川崎に2失点を喰らうも、それでも最後まで諦めないセレッソは90分に加藤のゴールでトータル2-3。
あと1点取って3-3に持ち込めば勝ち越しという中、ラスト1プレーで山田がヘッドで押し込み同点弾。
山田の劇的なゴールによってセレッソが準決勝に駒を進めました。
目次
アウェーゴール制での心理
まずこの試合のポイントとなったアウェーゴール制についてのお話から。
ルヴァンカップのトーナメント戦ではアウェーゴール制が採用されています。
もしドローでの決着になった場合、アウェーゴールが多い方を勝ち抜けにするというルールです。
延長戦が行われる確率を下げるために採用されているルールです。
川崎との1戦目、セレッソはホームで試合を行いました。
セレッソとしてはアウェーゴールは与えたくないが、その一方でホームゲームだから勝利を手にしたいという気持ちもあります。
結果として川崎に先制点を奪われるも、終盤にタガートのゴールで追いついての1-1ドロー。
川崎がアウェーゴール1点を取る形だったので、川崎が優位な状態になりました。
ただ、セレッソとしては点を取るしかない状態になりました。
点を取るしかなくなった。
つまりやることがシンプルになったわけです。
さらに前半40分には川崎に1点を奪われる展開。
もうセレッソとしては2ゴールを奪いに行くしかないという状態。
この分かりやすい展開がセレッソイレブンの意思疎通に繋がり、2点目まで集中を切らさずに走り続けられた理由になったんじゃないかと思いました。
マルシーニョとレアンドロダミアンの立ち位置
今年セレッソは川崎と4試合目。
4試合目ともなるとお互いに研究しあうわけですが、川崎のマルシーニョとレアンドロダミアンの立ち位置が絶妙でした。
セレッソの4バックは左から「山中、鳥海、西尾、松田陸」
川崎の3トップは家長、レアンドロダミアン、マルシーニョになるので、マッチアップとしては「山中=家長」「鳥海、西尾=レアンドロダミアン」「松田陸=マルシーニョ」になります。
ただこの試合、家長が下がり目に位置しながらレアンドロダミアンは山中と鳥海の間を突くような位置取り。
自然とレアンドロダミアン寄りにディフェンスラインがズレていくと、今度はマルシーニョ側に大きいスペースが生まれてしまうという状態になりました。
陸としても広大なスペースでマルシーニョとマッチアップしなければならず、ここからチャンスを何度も作られてしまいました。
山中のクロスの修正力
序盤からクロスやシュートが大きくズレるセレッソ。
途中から山中のクロスがシュート性のものに変わっていきました。
今日もありがとうございました🙌
— アングリーメン 林 咲斗 (@Sakito_Hayashi) August 10, 2022
おめでとう!セレッソ大阪!
シーズンは長い!
一戦一戦、目の前の試合を勝つだけ!#桜トークリーメン でツイートしていただいた方ありがとうございました☺️🌸 pic.twitter.com/ytXNe986xK
試合後に現地にいたセレッソ応援芸人のアングリーメン林さんがツイッタースペースでお話されてたんですけど、現地はかなりの風だったとのこと。
この風の対策としてスピード性のあるクロスを増やしたり、最後に加藤をアシストしたようなニアへの低段のクロスが生まれたんだと思います。
バリエーションのあるキックを蹴れる山中ならではのプレーだったと思いました。
セレッソの歴史が諦めない気持ちを作った
これは高橋大輔コーチのコメント。
Q:後半は苦しい展開も続いたが、終盤、勝負を懸けるメッセージを送った?
https://www.cerezo.jp/matches/2022-08-10/
「メッセージというか、(やったことは)試合中に常に声を掛け続けることですね。下を向いて、頭も体もフリーズしてしまう選手もいて。ただ、それは相手も同じことなので。その中で、1手2手、3手、先に行けるような、最後はこちらから湧き出てくるようなことが必要だと感じながら、アプローチしました」
高橋大輔コーチと言えばセレッソの歴史を作ったこのゴール。
2011年の5月、ACLの舞台でまさかの大阪ダービーとなったこの一戦。
両チーム一進一退でどちらに勝ちがころがってもおかしくないような試合でしたが、試合を決めたのがこの高橋大輔コーチでした。
後半88分、右サイドバックの高橋が高い位置まで上がってクロスと思いきや意表を突くニアへのシュート。
これが決まってセレッソはACLベスト8に勝ち上がりました。
サッカーは本当に終盤に試合が決まるようなゴールが生まれることが多いし、セレッソだってこのゴール以外にもいくつもの劇的ゴールを経験してきました。
最後まで走り切るとか、どんな劣勢でも諦めない気持ちが大事っていうのをセレッソのユニフォームを着た先人たちが残してきてくれていたんですよね。
メンバーが変わってもその想いっていうのは紡がれていって、そしてこの試合の2ゴールにも繋がったんじゃないかなと思ってます。
こんな劇的な勝利をする素晴らしいチーム、絶対優勝せなあかんと思う。
🌸川崎戦の選手・コーチのコメントを更新しました🌸
— セレッソ大阪オフィシャル (@crz_official) August 10, 2022
選手コメントは、#加藤陸次樹 、#山田寛人 選手です🎙
🗣コメントはこちら👇https://t.co/nCqdPky9hm#カップをピンクに染めよう#セレッソ大阪 pic.twitter.com/3k4HJl1tJP