「ハチドリのひとしずく食堂」のおばんざいの話

2022.7.16 J1第21節 ガンバ大阪vsセレッソ大阪 試合レビュー

今年4度目の大阪ダービーとなったJ1第22節。
セレッソ大阪はアウェーでの試合となり、序盤二セットプレーで失点してしまうも、前半の飲水タイム後からはセレッソペースに。

1点ビハインドの中でも落ち着いて戦い同点に持ち込むと、試合終盤には運動量が落ちたガンバディフェンスに対してカウンターでパトリッキが勝ち越し点。
大阪ダービーをシーズンダブルで締めくくり、上位追撃に向けて勢いをつける結果となりました。

ガンバの強い重心

立ち上がりはガンバ側がセレッソのビルドアップに対して強い圧力を掛けてきて、セレッソの自由を奪います。
大阪ダービーらしい独特の雰囲気。
1つ1つのプレーに緊張感が走り、球際のプレー1つ1つにカオスな空気感が漂っていました。

小菊監督は「ガンバをスカウティングした時に、立ち上がりは強い矢印で重心を前に、攻守に前に来ることは想定していました。」と、この圧力を想定はしていたようですが、セレッソはコーナーキックから失点。

アウェーの連戦が続いていたガンバとしては先制点を早めに欲しかったと思うんですけど、その思惑通りの展開となってしましました。

ただ、セレッソはここから鈴木がセンターバックの位置に落ちて3バック化でビルドアップを開始。
それと同時にガンバが早い時間に先制したことで守備的な位置取りをすることが増え、ここからセレッソペースになっていきます。

セレッソは3バック化によってサイドバックの舩木と陸が高い位置に上がりやすくなり、クロスから仕掛けるシーンが増えます。
34分に陸のクロスから山田がヘッドで合わせると、42分にも加藤が連続してクロスにヘッド。

点は奪えなかったものの、セレッソペースで決定機を複数作りました。

ビルドアップからの崩しで同点

後半開始からもセレッソがボールを握りながら攻める展開。
そうすると52分にジンヒョンからのビルドアップで為田が起点となり、山田ゴールで同点に追いつきます。

ジンヒョンがセンターバックに近い位置まで上がって、中盤に落ちてきた為田に縦パスを入れます。
この時、舩木が左大外の高い位置に張ったことでウイングバックの小野瀬を釣る。

山田についていた福岡は、為田の動きにつられて半端なポジショニング。

為田は中央の加藤をポストに使ってリターンを受け、裏に抜け出した山田に見事なパス。
オフサイドもなく綺麗な形で山田が同点弾を奪いました。

ビルドアップから完全に崩し切った美しいゴールになりました。

試合終盤の劇的なゴール

その後ガンバは食野、倉田、坂本とアタッカーを投入してきますが、セレッソもメンデス、パトリッキ、上門、北野と前線を入れ替えて対応。

相手がアタッカーを投入して推進力を出そうとするのを見計らってこちらもアタッカーを投入するのはマリノス戦でも見せた小菊監督のやり方。
向こうのアタッカーが下がってくれればそれで良し、下がってこなければカウンターで裏を狙う。

さよなら私のクラマーのこの言葉を思い出します。

そして後半ロスタイムに差し掛かろうとしたときに大きなゴールが生まれました。

人数を前線に割いてくるガンバに対し、サイドで舩木がボールをカット。
舩木はパトリッキにつなぐとメンデスとのワンツーで一気にカウンターダッシュ。

このとき上門、北野、メンデスが裏に走ってガンバディフェンスを引っ張り、パトリッキがフリーになるシーンを生み出します。

パトリッキがプレッシャー無く狙いすまして撃ったシュートは、この日何度もセレッソのシュートを防いだ東口の手も届かず、見事にゴールネットを揺らしました。

ゴールしたのはパトリッキだけど、この時にゴール側に走っていたのは途中交代で入った4人。
小菊監督が仕掛けた4本の槍が勝ち点3の扉をこじ開けていきました。

これによって23年ぶりの大阪ダービーシーズンダブル達成。
順位は5位ながらも3位川崎まで勝ち点2と食らいつく結果になっています。

その他

今シーズンはリーグ戦、カップ戦併せてセレッソが3勝1分け。
トータルで言うとセレッソの20勝11分27敗で、まだ負け越してはいるんだけれども近年のセレッソの猛追によって差が埋まってきています。

ダービーってお互いの順位だとかチーム状況とか関係なく、独特の雰囲気によって流れが大きく変わりますよね。
そういう意味ではカップ戦の決勝戦にも通じるようなものがあると思うんですね。

だから今年3勝1分けという好成績を収められたのってセレッソが勝負強いチームになってきたからだと感じています。
雰囲気に飲み込まれず、しっかりと流れを掴みながら勝利を掴む自力みたいな。

7勝の差を埋めるにはまだ少し時間はかかりますが、セレッソが勝ち越したときにまた一つ大きく歴史が変わるんじゃないかと思っています。

そしてやっぱりパトリッキについても少しだけ。
加入すぐはまだチームに馴染んでいない感じはありましたが、ここにきて他の選手がパトリッキの特徴を掴んできた感じがします。

初速で相手をちぎるような瞬発的なスピードタイプではなく、長めの距離を走らせたときに怖さを見せつけるタイプ。

セレッソのファン感で37.8kmのスピードが出ていたっていう話がありましたけど、ディフェンス側にしてみれば一度剥がされれば追いつくのが難しいスピード。
特に終盤のカウンターであのスピードを出されると、体力的にも相当難しい対応になると思います。

最初はシュートが苦手なタイプなのかなと思ってましたけど、ここ数試合ではしっかりとゴールも奪っています。
特徴がはっきりしているから周りの選手もパトリッキを使いやすいかもしれません。

加入当初の報道では3年契約っていう話だったし、これからのセレッソの躍進のカギになりそうですよね。
まだまだゴール数を伸ばしてくれそうで期待しています。