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2022.5.6 J1第12節 ジュビロ磐田vsセレッソ大阪 試合レビュー

GW中の金J開催。
全席半額という集客作戦を行って、何としてでもサポーターの前で勝ち点3を獲りたいセレッソ。

序盤はゲームを支配して2得点を奪うものの、終盤に退場者を出すなど荒れた展開になりました。
GKキムジンヒョンの負傷退場もありましたが最終的には2-1でなんとか逃げ切り。

今シーズン最多の13,479人の来客者の前で、今季初のホーム戦勝利をもぎ取りました。

磐田の5-4-1vsセレッソの4-3-3

両チームともに中2日で迎えたこの1戦。
磐田はボール非保持時は5-4-1の形で後ろに比重を置き、どっしりと構えてきました。

一方のセレッソは左サイドにパトリッキが入り、清武が中央に入る4-2-3-1の形でスタートしたと思ったんですけど、流れを見ていると右ボランチの奥埜が高めの位置を取ることが多く、原川がアンカーの位置に残りながらパスを配給しているように見えました。

試合後のコメントで「[4-4-2]もありますし、[4-3-3]というオプションもあるので、相手に対して、今日はこの形がうまくハマったと思います」と清武が言ってたんですが、確かに言われてみれば原川アンカーの左IH清武、右IH奥埜の4-3-3のような形。

両サイドには推進力のあるパトリッキ、毎熊を並べることで引いて守備をする磐田を押し込んで主導権を握っていました。
磐田がもう少しプレスを重視してパスの出どころの原川や、引き出し役の清武に自由を与えなかったらここまで主導権は握れなかったかもしれませんが、磐田の守備の形に対して上手く優位性を作ることができました。

ポジショニングで優位性を作る毎熊

この試合、スタメンで右サイドに入った選手が毎熊。
序盤から右サイドで細かく動きながらポジショニングで怖さを見せ続けていました。

1点目が生まれたのはCKの流れから。
清武のクロスにヨニッチが頭で繋いで、少し厳しい体勢だったけれども西尾が見事な折り返し。

179cmと身長はない毎熊でしたが上手く磐田DFの前に入り込む形でフリーでシュートを撃って先制点を奪いました。

さらに40分にも毎熊が2点目を奪います。
メンデスのクロスをパトリッキがスルー。
ファーで受けた清武が毎熊のポジションを冷静に見て折り返し、毎熊が決定機をしっかりと決めて2点目。

毎熊は1点目も2点目もディフェンスのマークを上手く外すポジショニングで得点に絡みます。
中原がドリブルで強さを見せるタイプだとすれば、この日の毎熊はランニングやポジショニングで強さを見せて前半に大きな2点を奪ってくれました。

4-4-2に変更する磐田と為田の退場で流れが変わる

流れを変えたい磐田は後半開始から5バックから4バックに変更。
トップにファビアンゴンザレスを入れて攻勢を強めようとします。

磐田は前半よりもプレスの強度を高めて人とボールを捕まえようとしますが、2点リードしているセレッソは落ち着いて対応。

これがもしリードが大きくなければプレスでの対決もあったかもしれないけれども、2点リードを持っているセレッソは焦る必要もないし、中2日のゲームだったことを考えると終盤のスタミナ面を考える必要もあるしで上手くパスワークで剥がしつつ主導権を握っていきました。

が、74分に為田が磐田の小川にアフターで足裏タックルをしてしまって一発退場。
数的不利になったセレッソは4-4-1でブロックを作りますけど、ここぞとばかりに前に圧力をかけてくる磐田をいなしきれずに、79分ファビアンゴンザレスに1点を返されてしまいます。

ジンヒョンの負傷退場もあったが逃げ切って今年初のリーグ戦ホーム勝利

残り10分+ATで1点差。
リーグホーム戦の初勝利が掛かることもプレッシャーになってか緊張感が走るスタジアム。

そんな中で88分にジンヒョンがハイボールの競り合いの時、大津と交錯して脳震盪という判断になりGK交代という自体に。
この時点でセレッソは交代枠を使い切っていましたけど、脳震盪での負傷交代の場合は枠を使い切っていても交代できるということで控えGK清水が投入されました。

パワープレー気味に押し込む磐田に対してフィールドに残った選手たちは運動量を上げ、特に奥埜が無尽蔵とも言える運動量を見せつけてくれて100分を超える激闘はセレッソの勝利で幕を閉じました。

その他

前半が終わった段階では内容も上回り、2得点という結果も付いてきました。
でもそのまま終わらないのがサッカーというスポーツで、2点差がひっくり返るなんてことはザラにあること。

経験豊富な選手はそれもちゃんと理解して後半に挑んでましたし、為田のレッドカードに加えてジンヒョンの負傷退場というイレギュラーすぎる展開にはなりましたが、最後まで集中を切らさずに勝利を目指して戦い続けてくれました。

荒れた試合になってしまったし、代償も多かったから「良い試合」とは言えないかもしれないです。
でも今年初のホーム戦勝利をもぎ取るために走り続けた選手たちの姿っていうのはサポーターの記憶に残るんじゃないかなと思いました。

この第12節を終えての順位は8位。
ACL圏内である3位を目指すのであれば、ここからもう少しペースアップをしていきたいところです。

怪我人が多いこともあって今のセレッソは探り探り新しい形を模索している感じがします。

コンディションが上がってきたパトリッキの推進力だったり、調子を上げている清武のゲームメイク力。

これらを活かしながらさらに上の順位に繋がるサッカーになっていけばいいなと思います。